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緩和医療

 2002年、WHO(世界保健機関)は緩和ケアを「生命を脅かす疾患に伴う問題に直面する患者と家族に対し、疼痛および身体的・心理社会的・霊的な問題を早期から適確に評価し解決することにより、苦痛(Suffering)の予防と軽減を図り、生活の質(QOL)を向上させるためのアプローチである」と定義しました。臨床腫瘍学の領域においては、緩和ケアの専門的知識の習得が直接的な患者利益につながる(抗がん治療から緩和治療へのスムーズな治療継続ができる)こともあって、2000年代初頭より、岡山大学第二内科では数多くの人材が関連基幹病院や岡山大学緩和支持医療科との連携の中で、中国地方の緩和ケアをリードし、支え続けた輝かしい歴史があります。

 実際、数ある学会専門医の中でも特に難関とされる、「日本緩和医療学会専門医」は全国で244名(2019年4月現在)、そのうち中国地方における専門医数はたった14名に過ぎません。そのうち岡山大学関連病院出身者は全ての診療科あわせて計8名でありますが、その半数の4名が第二内科出身者です。また、第二内科出身の緩和医療学会専門医はすべて岡山大学ないしは川崎医科大学などの‘アカデミア’において責任ある職責で勤務しており、専門的緩和医療と学生教育・研究などに幅広く携わっています。

 また数多くの第二内科出身者が緩和医療学会代議員として、学会運営に深く関与し、活躍してきたことも当科の特徴です。2019年8月には第2回 日本緩和医療学会中国・四国支部学術大会が広島県で開催されますが、当科出身の小原弘之先生のもと開催されることとなっており、盛会が期待されています。

 このように長年にわたって臨床腫瘍学の分野で新たな時代を創り、患者のQOLの改善に貢献し続けてきた岡山大学第二内科にあなたも‘新しい風’として是非加わってみませんか。医師として本当に充実した生活が送れることを我々は保障します。

 
 
片山英樹
大学病院ではがん治療が中心になりがちですが、その中でも患者さん一人一人に目を向け、患者さんとご家族のQOLが維持向上できるよう心がけています。第二内科の患者のみならず院内の患者すべてに緩和医療ができるよう努めています。緩和医療に興味がある方はぜひご連絡ください。
喜多嶋拓士
第二内科は個々の患者さんに対して真摯に向き合い、その方の生命・生活・人生に責任を持つことを伝統としている教室です。そして緩和医療とは、まさにその同じ内容を目的とした分野であり、第二内科に所属する全ての医局員が目指すべき医療の形であろうと思っています。 Come join us !!
深松伸明
がん患者さんの体だけでなく心のケアにも、また患者さんだけでなくご家族・ご遺族のケアにも努めています。赤十字の使命のもと災害時の救護・こころのケア活動にも力を入れています。
宮武和代
岡山医療センターには緩和ケア病棟はありませんが、急性期病院の一般病棟においても緩和ケア担当医の果たすべき役割は大きいと感じています。診断時から終末期まで、患者さんのつらい症状を緩和できるように、また、ご本人とご家族が置かれた状況を理解し、思いを傾聴し、寄り添い、サポートし続けるように努めています。全ての経験が力となり、人生の糧となります。是非緩和ケアを学んで下さい。
小原弘之
日本のがん対策が、診断時からの緩和ケアを推進することになり、腫瘍学と緩和ケアを統合させてお互いが相補的になるような取り組みが期待されています。また心不全や呼吸不全のなど非がんの患者さんの緩和ケアや意思決定支援もますます重要になっており、お手伝いさせて頂きます。
山根弘路
病院を取り巻く環境は昨今必ずしも良いものでは無い時代となり、忙しい臨床研修の中で時間的にも厳しい状況になっていますが、緩和医療の基本的な考え方と患者さんに対応する姿勢は一度学んでおくと、次代を担う医学生・研修医の皆さんにとって数多くの実りとなるものと思われます。 “心と体、双方が傷ついてしまった”患者さんに、どこまで寄り添えるのかが、我々医療者に取っての最も重要な課題であり、もしかすると患者さんのアウトカム自体よりも重要なことかもしれません。是非第二内科で共に学んでみませんか。