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【良性肺疾患グループ】基礎研究―肺線維症―

 

3.肺線維症モデル
 肺線維症は慢性進行性の肺の線維化を特徴とした疾患で,その中でも特発性肺線維症は生存期間中央値が約2-5年と短い予後不良な疾患です。ピルフェニドン,ニンテダニブといった抗線維化薬の登場によって予後は以前より改善していると言われていますが,いまだ根治不能な疾患です。
 発症メカニズムとして近年では上皮細胞の障害および修復機構の異常が着目されていますが,免疫系の関与についていまだ不明な点が多く,現在当グループでは免疫系に着眼点を置いて研究を行っています。

・ブレオマイシンモデル
 ブレオマイシンを経気道的に投与することにより肺線維症が誘発されます。私たちは肺線維症モデルにおける免疫系の役割に着目し,その病態解明や新たな治療戦略に結び付けるべく研究を行っています。

・肺線維症急性増悪モデル
 特発性肺線維症の死因の約4割が急性増悪であると報告されています。急性増悪に対する治療選択肢は少なく死亡率も高い病態であるため,新たな治療戦略が求められています。上述のブレオマイシンモデルにリポポリサッカライドを経気道投与することで急性増悪モデルを作成し,新規治療の可能性について検討しています。

<発表論文>
[1] Am J Respir Crit Care Med. 2001,15;164:2229-38
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[16] Am J Respir Cell Mol Biol 2015,52:482-91
[17] Am J Respir Cell Mol Biol 2016,55:697-707
[18] Respir Res 2019;20:2