当教室同門の倉敷市民病院の江田良輔先生、 近藤正太郎先生が参画した医師主導治験の結果が掲載されました。難病指定されている肺胞蛋白症の病態には、 マクロファージの機能不全があり、GM- CSF吸入により患者さんの酸素化能が改善することが分かりまし た。
GM-CSFはすでに薬剤(商品名Leukine) として海外では上市されていますが、我が国では未承認薬です。今後、 我が国における薬事承認申請と保険収載を目指す企業を募集してい く予定です。さらにGM- CSFは自己免疫性肺蛋白質症にとどまらず、 肺の感染防御能を高めることが期待されることから、非結核性抗酸菌症や肺アスペルギルス症などの肺難治性感染症の治 療に適応拡大されていくことが予想されます。
N Engl J Med. 2019 Sep 5;381(10):923-932. doi: 10.1056/NEJMoa1816216.
Inhaled GM-CSF for Pulmonary Alveolar Proteinosis.