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岡山医療センター 感染症内科の活動について

 

感染症内科は2016年4月に新設された診療科であります。
岡山大学血液・腫瘍・呼吸器内科(第二内科)より赴任した感染症専門医1名、レジデント1名で活動しています。
感染症内科は、感染症(疑い)患者さんの診断・治療に関わる「感染症診療支援活動」を中心に、薬剤耐性菌拡大防止などを担う「感染対策」、学生や研修医等への感染症教育などの「教育活動」に携わっております。
まず「感染症診療支援活動」とは当センターに入院中または受診された患者さんを対象に各診療科の先生方から感染症(疑い)の診断や治療についての相談を受けたり、血液培養陽性検体など細菌検査結果から重症感染症と判断されたりした症例などについて、各科先生方と協力しながら診療に携わるという活動であります。具体的には、感染症内科が関わらせていただく患者さんの状態を各科先生方から十分お聞きし、患者さんを診察させていただき、最適と思われる方針を提案・推奨し、その患者さんが治癒あるいは状態が安定するまで経過を見させていただいております(図1)。

 

次に「感染対策」は感染対策室と密に連携し、薬剤耐性菌情報の共有、感染対策への助言や指導、抗菌薬の適正使用などに携わっております。
最後に「教育活動」についてです。感染症に関する診断や治療について、講義や回診、細菌検査室でグラム染色標本や培地を見るなど、学生や研修医、医療従事者(看護師・検査技師など)等への教育を行っています(図2:初期研修医への講義風景)。

 

岡山大学医学部6年次の学生さんの選択制臨床実習を受け入れています。感染症内科でフォローしている患者さんを指導医とともに診察し、診断治療方針の決定に参加していただいています。期間内には細菌検査室での実習も行っています。
初期研修医は臨床検査科を選択した場合、細菌検査室での研修を中心に感染症内科も一緒に研修を受けることができるようにしています。各診療科研修中の受け持ち症例を通して、学んでいただけるように指導しております。
内科専攻医は1か月間、選択科目として感染症内科での研修をしています。上記感染症診療支活動の一環として、症例を受け持ち、指導医のもと、研修を行っています。内科専攻医の感想をご覧ください。
当センター総合診療科と密な連携を図り、感染症内科受け持ち症例の情報共有を行っております。
さらに当センターは、感染症専門医を育成する日本感染症学会認定研修施設でもあり、研修後感染症専門医の受験資格が得られます。

これまでの活動実績をお伝えします。2016年4月から2019年3月までの診療支援活動件数を合計1714件になりました。年度毎に平均した推移を図3に示します。年々、活動件数が増加し、2018年度は月平均57件の診療支援活動を行いました。感染症と判断した症例の感染臓器(フォーカス)としては、呼吸器系が多く、泌尿・生殖器系、皮膚・軟部組織、筋・骨・関節と続いています(図4)。院内すべての診療科から相談を受け、各種感染症の診断・治療にあたっています。