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CAR-T治療について

 

キムリア(CAR-T治療)の患者さんを当科へ紹介される先生方へ

 

当科では以下の手順に従って、キムリア(CAR-T治療)の患者さんを受入れております。

なお、患者さんからの直接のお問い合わせには対応しておりません。当科での治療を希望される患者さんは、まず主治医の先生にご相談くださるようお願い申し上げます。

 

患者さんは、「月1人の候補者」と選定されてからの受診となりますことをご理解いただけますようお願いいたします。

 

【当科におけるCAR-T治療】

①  症例のコンサルト

②  適応判定委員会にて審議

③  当該月の症例を選定

④  当科外来を紹介受診

⑤  リンパ球アフェレーシス

⑥  紹介元ご施設で治療

⑦  キムリア投与のための再入院

⑧  退院

 

 

① 症例のコンサルト

  • 当科におけるCAR-T適応について

疾患の適応基準については、厚生労働省 最適使用推進ガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T190524I0040.pdf

または

【キムリア点滴静注】適正使用ガイド

https://drs-net.novartis.co.jp/SysSiteAssets/common/pdf/kym/tg/tg_kym_202007.pdf

をご覧ください。

慢性活動性感染症(ウイルス性肝炎ふくむ)がないことをご確認ください。

年齢は、当科では70歳まででPSが0~1までが目安です。

腫瘍量が大きく、急激な経過をたどるなど腫瘍コントロールが難しい場合は適応が難しいです。採取してから最低でも8週間は病状が維持できなくてはなりません。

迷われる場合は、おたずねください。

 

  • 紹介の方法

病院の代表電話にお願いします。

血液・腫瘍内科の医師へお繋ぎしますので、症例の詳細について概略をお話いただきます。

直接 医師のメールアドレスをご存知であれば、メールでもかまいません。

症例詳細は、後日診療情報提供書として書面・画像などを送っていただきます。疾患情報、臨床経過だけでなく、感染症検査結果、診断時の病理組織所見コピー、フローサイトメトリー等CD19(+)が確認できる所見コピー、最新の画像評価(放射線影科所見コピー)をご添付ください。

 

② キムリア適応判定委員会にて審議

 適応について審議させていただきます。

 

③ 当該月の症例選定

 ②で適応ありと判断された症例リストの中から、月に1度、翌月の製造枠1名に対する候補者を厳正に選定させていただきます。

 

④ 外来受診

 外来受診は、地域連携を通して予約の後、受診となります。

 治療の狭間になる、遠方等の理由で、採取の3日前に直接入院することで省略することもあります。

 どちらの場合も当院で適格性検査(採取30日前の感染症検査をふくむ)を行い、診察等の結果をふくめ採取が難しいと判断された場合は、⑤に進むことができません。

 

⑤ リンパ球アフェレーシス

 3泊4日の入院となります。

 入院2日目は、採取当日のための準備を行います。採取終了後翌日に退院できます。

 

⑥ 紹介元ご施設で治療

 リンパ球採取後は、腫瘍のコントロールが必要です。通常はキムリア到着まで2コース程度の化学療法を継続いただきます。また細胞性免疫が低下した状態になっておりますので、支持療法などをよろしくお願いいたします。

 

⑦ キムリア投与のための入院

 リンパ球除去化学療法の後、キムリアを投与します。輸注後のサイトカイン放出症候群ほか副作用に対応します。

 

⑧ 退院

 当科での必要な経過観察期間をすぎましたら、原則紹介元のご施設へ転院または外来での経過観察ならびに治療をお願いいたします。節目にあたりましては、当科を受診していただきます。

 

 キムリア治療として患者さんが候補となった後は、採取前から治療後にわたって当科との密な連携が必要です。よろしくお願い申し上げます。