> > 医学生・研修医の皆様へ

医学生・研修医の皆様へ

 

1.血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科(旧第2内科)では内科全般を診る力を大切にしています。

当教室は、血液・腫瘍・呼吸器・アレルギーを中心とした専門分野を扱っていま。以前は第2内科教室として大学病院においても消化器、内分泌・糖尿・代謝、神経を専門する先生がおられ、臨床・教育・研究を行っていました。そのため関連病院では血液・腫瘍・呼吸器・アレルギーを専門とする先生に加え、横断的に様々な分野(循環器消化器、感染症、内分泌・糖尿・代謝、神経)を専門とする先生がおられます。一例として、岡山医療センターの感染症内科、総合診療科、岡山赤十字病院の総合内科で第2内科の先生が活躍されております。また、血液、腫瘍、呼吸器、アレルギー疾患は、専門的な疾患も多いですが、内科全般の素養が必要な全身的な疾患が多いため、旧第2内科の伝統を受け継ぎ、幅広い内科的な素養を持つことを大事にしています。

 

2.内科はきつい? しんどい??

第2内科の扱う疾患、病態は人の死に直結することが多く、向き合うのが “きつい”また“しんどい”という印象があったと学生さんから言われる場合があります。“きつい”また“しんどい”と感じるか、やりがいがある、奥が深いと捉えるかは心構え次第で見える景色がずいぶんとかわると思います。私たちは、内科医が人の死と向き合うの自然なことだと考えています。第2内科に受けつがれる哲学に、人の死(=人生)と真正面に向き合い診療に取り組むことにあります。確かに“きつい”また“しんどい”と感じることもありますが、だからこそやりがいがあります。患者さん・ご家族や同僚とも強い絆が生まれます。真正面に取り組むからこそ生まれる喜びや悲しみがあります。

第2内科が向き合う疾患は、非常に幅広い視野が必要です。血液疾患、呼吸器疾患、アレルギー疾患、腫瘍いずれも全身状態に関わる疾患が多く、単純に一つの数値をコントロールする、何かを除去するでは解決しない疾患が多いため全身的な病態把握のもと治療戦略を立てる必要があります。また抗癌剤治療は多種多彩な合併症を起こします。免疫不全状態では様々な感染症を引きおこし、どの分野にもまして感染症のコントロールの習熟が必要となります。細胞障害性抗がん薬、分子標的薬および免疫チェックポイント阻害薬の有害事象として、さまざまな病態が誘発されるため、内科横断的な知識と経験が必要となります。つまり、第2内科が専門とする疾患は、総合的な内科の知識や経験が不可欠であり、またそれらの疾患に向き合うことで、幅広い内科的な素養が自然と身につく領域と考えています。

 

3.高齢化とがん

今後の日本社会は、ますます高齢化が進みます。現在でも2人に1人はがんになり、全死亡の3分の1は「がん死」です。高齢化社会にあってがん患者さんは確実に増加し、また治療の進歩によってがんと上手に付きあいながら日常生活を送る患者さんがどんどん増えていっています。つまり、どのような内科的な専門性を標榜したとしてもがんの患者さんと向き合うことが日常的なこととなってきています。


 
がんと向き合う患者さんは、専門病院で治癒を目指した集学的な治療およびがんをコントロールするため最先端の薬物療法を受けています。しかし治療の場は、専門病院ばかりではありません。治療が軌道にのり安定した場合などは、より住まいに近い地元の病院で治療を継続します。また、緩和治療が主体となった際は、より地元の病院へ治療の場を移していきます。そのため、多くの内科医が地域の小中規模病院やクリニックでがんと向き合う患者さんの診療を行っています。どのようなスタイルで内科医を目指すとしてもがんに対する知識が必要となります。

がん治療を一時期でもしっかりトレーニングを受けることは長い医師の人生で決して遠回りではなく、むしろ幅広い内科的な素養を養い、懐の深い内科医となるためには必須の経験と考えます。

 

4.第2内科が牽引する臨床と研究

第2内科には、血液移植グループ、アレルギーグループ、臨床腫瘍・呼吸器腫瘍グループがあります。具体的な活動については各グループのページを参照いただければと思います。一例を挙げると血液疾患分野では同種造血幹細胞移植が全国の国公立大学の中でも最上位の移植件数を誇ります。腫瘍内科としては日本臨床腫瘍学会中四国9県のがん薬物療法専門医約3分の1が第2内科の同門であり、緩和医療においても中四国で緩和医療学会専門医の半数が第2内科の出身で占められています。第2内科は幅広い分野で中四国地方における診療を牽引しており、急性期から最期まで「人の死と真正面に取り組む」第2内科教室の文化が発揮されていることがおわかりいただけると思います。また、新しいエビデンスを生むため多数の臨床研究を主導し、日常診療の治療方針の決定にかかわるような結果を出しています。岡山大学病院は、全国12施設ある臨床研究中核病院に選定されております。当科は臨床研究及び治験(新薬開発)の実施件数が院内で最多を誇り、臨床研究においてリードする立場にあります。がんゲノム医療の中核拠点病院にも、岡山大学病院は全国11施設のうちの1つに選定されました。第2内科で扱う疾患とゲノム医療は切り離せない分野であり、白血病や肺癌の診療経験から主導的にがんゲノム医療の発展に貢献しています。

第2内科教室は臨床の教室でありながらトランスレーショナル研究、基礎研究を非常に大切にしています。その理由として、大学院で研究に従事することで、より深く病態について学び考える力がつくこと、また日常診療における疑問を研究で解決できる可能性があること、さらに研究での発見をもとに新しい治療法を開発するべく臨床研究、治験を行うことができるなどが挙げられます。研究を行うことができるかどうかは、内科学教室としての基礎体力と考えており、積極的な海外留学の希望者は応援しています。第2内科は岡山大学の中で12年連続で海外に多くの留学生を送り出しています(表1)。第2内科で研究し、興味が持てれば海外留学、そして帰国してさらに研究を進める好循環サイクルが構築されています。ぜひとも多様な世界を体験してきてその経験を社会に還元してほしいと願っています。

 
 
【表1 岡山大学からの海外留学者数の推移  岡山医学同窓会 鶴翔会調べ】